GMARCHで一番華のある(気がする)青山学院大学の2023年志願者動向をチェックしていきます。志願動向の不自然なデータの中に隠された真実(らしきもの)を見つけましたので、後半ではそこに言及します。
※いつも通り、理系学科については集計対象外となります。
まずは試験方式の確認から。
共通テスト利用選抜
一般選抜(全学部日程)
一般選抜(個別学部日程)
大枠では従来からある入試方式と変わりません。
そして、共テ利用と全学部日程の2方式は、必要な科目を共テもしくは全学部試験で受けるだけの変哲無い試験方式です。
一方、個別学部日程は、同一学科でもA/B/C/Dと試験方式が細分化され、方式ごとに青学独自問題や共テ利用や外部英語試験利用などが決められており、受験生は自分に合った方式に出願することになります。
学科ごとにA/B/C/D方式の内容が異なるため、少し戸惑うというか、入試要項を読み込むのが面倒になります。軽くサマっておくと、
●独自問題のみ
英米文学科;B/C方式
経済学科:A/B方式
現代経済デザイン学科:A/B方式
●英語外部試験(出願資格)+共テ+独自問題
国際政治学科:B方式
国際コミュニケーション学科:B方式
総合政策学科:A方式
●共テ+独自問題
上記以外の学科・方式
の3つに分類できます。大部分の方式で共テが必要ということが分かります。
そして独自問題というのがまた学科ごとに独創的で、総合的な思考力を試す内容が多い気がします。上智大学の個別方式と似ているところがあり、入試改革で目指す所は分かる気がします。
これらを踏まえ、志願者動向をチェック。まずは全体の推移。
昨年の大幅増の反動か、今年は▲4,331人(▲11%)と大きく落ち込みました。それでも一昨年よりは多い訳ですから、依然として高い人気を維持していることが伺えます。
続いて内訳を確認。共テ利用から。
全体同様、昨年比でかなり減少(▲12%)しました。
続いて共テ以外の一般選抜(個別+全学部)。
こちらも似たような推移です。昨年比▲11%。
続いて学部別に確認。
昨年増加した学部が下げているように見えます。今年の減少は単なる反動でしょうか。来年度以降の推移に注目です。
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この記事をを書きつつ上のグラフを眺めていたら、経済学部の志願者が頭ひとつ抜けてることに違和感を感じました。青学って経済が看板学部なんでしたっけ?
立教の志願者減少の謎に引き続き少し深掘ってみます。
下のグラフは共テ利用方式の学部別志願者ですが・・・明らかに経済少ないよね。それ以外の学部は全体の傾向に近い。
共テ以外の一般選抜(個別学部+全学部)を見てみます。
こちらは経済大人気。経済の一般選抜(の個別日程)と言えば・・・冒頭に書いた通り、独自問題しか課さない試験方式を採っています。
●独自問題のみ
英米文学科;B/C方式
経済学科:A/B方式
現代経済デザイン学科:A/B方式
しかも独自問題も昔ながらのオーソドックスなもの。
他の学部が独自問題で総合的な内容を課しているのに対して、昔ながらの内容です。下は参考に法学科の試験内容。がっつり総合的な問題が含まれています。
つまるところ経済が人気な訳でなく、経済以外の個別試験方式が不人気で志願数が抑え込まれていると言えるのではないでしょうか。
という訳で、青学の志願者動向で少し不自然な点に着目してみたところ、立教や上智など入試改革を進める大学(学部)ほど志願者が伸びないジレンマがここにも隠されていることが分かりました。
来週から青学でも一般選抜試験が始まります。受験生の皆さんに幸あれ!
受験生のみんなが希望する大学に合格しますように。