立教大学の志願者動向が大変なことになっているので少し掘り下げて考えてみました

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来年、創立150周年を迎える立教大学の志願者動向をチェックしてみます。立教は今年の箱根駅伝に55年振りに出場したことでも話題となりましたね。

☆いつもの通り文系学科に特化して書いてます。

まずは試験方式の概要から。立教大学は入試改革に積極的に取り組んでいるせいか、他の大学とは大きく異なっています。

共通テスト利用入試
一般入試(全学部統一試験。文学部のみ独自日程あり)

 

共テ利用については、他の大学とそれほど変わらず、外部英語試験スコアを英語換算点として利用することが出来るものです。これは全学科で採用されています。

 

特徴的なのが一般入試です。

ざっくり言うと、全学部統一試験が5回実施される感じです*1。つまり、共テ利用と合わせて最大6回の受験チャンスがあることになります*2

もう一つの特徴は、立教独自の英語試験が無い点です*3。共テ得点もしくは外部英語試験スコアの換算点が英語の得点として用いられます。そのため当日は2科目だけの受験となります*4

文学部だけ何故か英語試験を含む独自日程があるのは、求める英語能力が異なるからかもしれません。リスニング/スピーキングが苦手な文学部志願者にとっては幸いですね。

 

以上を前提に、立教大学志願者動向を見てみます。

志願者推移(文系のみ)

んー、前年から▲5,025人と激減してますね。。。

内訳を見ていきます。次のグラフは共テ利用志願者数です。

共テ利用

鈍ってはいるものの、一応、増加しています。人気自体が落ちてる訳では無さそうです。続いて一般入試

一般入試

激減の理由はこちらでした。

2年連続で10%以上の減。しかも今年度は15%も減少しています。これは受験生人口の減少では説明出来ないレベルの減り方です。少し掘り下げる必要がありそうです。

次のグラフで学部別の志願者推移を見てみます。

一般入試(学部別)

全般的に減っていますが、中でも異文化コミュニケーション、経営、社会、法といった主力学部での大きな減少が目に付きます。

 

前年度に志願者が大きく増加した学科が回避される反動現象がよく見られますが、立教の場合もそれでしょうか。

次の表で主力学部の志願者の増減を確認してみます。

志願者増減率(一般入試)


国際ビジネス法学科は反動現象のように見えますが、他学科は当て嵌まりません。

 

あるいはボーダー偏差値が上がったことによる志願回避なのでしょうか。ボーダー偏差値の変化を見てみます。

ボーダー偏差値

法学部の全学科で上昇が見られます。法学部については、国際ビジネス法学科の反動現象とボーダー偏差値上昇による志願回避で説明が付きそうです。合わせて、中央大学茗荷谷キャンパス開設が影響している可能性もあります*5

 

一方、他の学科に偏差値変化は見られず、上の2つでは説明が付きません。となると、次に考えられるのは外部英語試験スコア高得点者が絶対的に有利になる試験方式や開示される入試データの影響です。

 

立教大学は過去の入試における最低得点(率)を発表していません。なおかつ、外部英語試験スコアの換算点も公表していません。というか、換算点は相対的に決めるので事前に公表できません*6

結果的に、一般入試の志願者は過去問でどの程度取れていれば安心なのか、外部試験でどれだけ取れれば安心なのかも分からず志願しなければなりません。これは志願を躊躇させる心理的要因の一つとなり得ます。

某大学受験掲示板では英検スコア披露(高スコアなものが多かった印象)が目立ち、早慶上智GMARCHの中でアクセス数が圧倒的に多い状況だったのが印象的です。とにかく情報を欲している受験生が多いように見えました。

 

また、今年の共テ英語は昨年と比べて平均点が下がり、一般的には難化したとされています。共テに賭けていた層(外部試験で高スコアを取れていなかった層)が思ったほど点数が取れずに志願を諦めた、もしくは志願日程を減らした可能性が考えられます。

英語平均点(共通テスト)

 

入試データの開示不足共テ英語の難化真偽不明の掲示板情報に翻弄される受験生の姿が目に浮かびます。

 

以上の仮説に基づけば、志願者の減少分の多くはボーダーライン以下の受験生のはずですので、難易度に大きな変化は無いと思われます。油断せず試験日を迎えて下さい。

 

受験生の皆さんに穏やかな春が訪れますように。

 

*1:文学部だけ独自日程が更に1回

*2:文学部は+1回

*3:文学部日程のみ独自試験あり

*4:文学部独自日程は3科目

*5:中央法の志願者はそれほど増えておらず、可能性は低い

*6:共テ利用における換算点はスコアの絶対値で決まるため、事前に公表される