日本女子大の合格発表結果を誰よりも詳細に分析して入試運用改革の必要性を静かに叫びます。果たして届くか。

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昨日3/27、日本女子大学HPに繰上げ終了のお知らせが掲載され、今年度の合格者数が確定しました。

この記事の前半では前回発表(3/11)以降の繰上げ状況を軽く整理し、問題点を指摘します。後半では合格状況の全体を総括して入試運用改革の必要性を問います。

前回発表以降の動向

繰上げ発表予定3回目の3/11以降、少なくとも3/17と3/24に繰上げ発表が予定されていましたが、1〜2回目と同様、大学の入試速報ページは微動だにしませんでした。

まさか19名で確定かと心配していたところ、週が明けた3/27になって漸く3/24分の繰上げ合格情報が掲載され、同時に「補欠繰上げは3/24をもって終了」の文言がページに追加されて今年度の入試は終わりを迎えました。長い長い補欠の期間を待たされた受験生の皆さんは苦しい時間を過ごされたかと思います。ご家族の方ともどもお疲れさまでした。

最終日に繰上げが行われたのは管理栄養(3)、英文(30)、国際文化(15)、化学生命(3)の計51名でした。合格された皆さん、おめでとうございます。掲示板を覗いても合格者の書き込みはほとんど無かったので合格されても他大学に行った方が多いのかもしれませんね。

ここまで見てきて分かるように情報発信能力の低さと杜撰さ、これが本女1つ目の問題。この後示しますが精度の高い正規合格数を出していながら、情報の扱いがこのSNS時代にはあり得ないほどチープ。来年以降は情報発信の改善に努めない限りこのまま地盤沈下して行きかねないと心底思います。

最終合格者内訳

繰上げ総括

正規合格者が例年の合格総数と比べて▲500名少なかったこともあって、個人的に大量の繰上げが出ると予想していました。

wellbalancedlife.hatenablog.com

ところが蓋をあけると結果は僅か70名。昨年が211名ですので▲141名の激減です。

可能性として考えられるのは2つ。

①学校推薦(公募制)枠設置に伴い一般入試募集数を削減したことが大きな影響を与えた

②脱コロナに伴い正規合格者の入学率(辞退率)が異常に高かった(低かった)

です。おそらく両方が重なっての結果だと思います。入学率の情報が開示され次第、検証します。

繰上げ合格割合

下は全合格者に占める繰上げ合格者の割合を示したものです。例年非常に低い割合で推移していますが今年は更に低い結果となりました。

これは逆に言えば、正規合格比率が非常に高く精度が高い合格発表が出来ているとも言えます。

次のグラフは補欠制を採用している試験方式(個別3教科、個別2教科)ごとの繰上げ合格割合です。こちらの方がより実態を表しているかもしれませんがそれでも低い割合に変わりありません。

補欠比率

続いて正規合格に対する補欠数の比率を見てみると非常に高いことが分かります。ちなみに補欠数を開示している早慶で30%程度(上智は100%を超える異常さですが繰上げ率の高さでカバー)です。

この比率を低く抑えることが厳格化緩和のKPIの一つであるべきと個人的には思っています。正規合格者を増やし、補欠者を減らす。そして繰上げ合格を早期化して繰上げ率を向上させる。

これらがパッケージとなって初めて入学金の二重払い、三重払いや4月直前まで進学先が決まらないといった受験生と家族を困らせる事態を減らすことに繋がります。

そしてこの補欠比率の高さが本女の問題点の2つ目です。上で見た通り、正規合格で定員をほぼ充足出来てきた実績があるにも関わらず毎年多くの無用な補欠を出す。これは絶対に改善しなければならないことです。

繰上げ率

続いて繰上げ率を見てみると年を追うごとに下がり続け、今年は雀の涙のようになってしまいました。もはや補欠になっても合格出来ないと思っていた方が精神衛生上良いと言えるレベルです。とにかく補欠を出し過ぎの一言に尽きます。

発表回数別繰上げ数

グラフに出来ていませんが今年の結果です。

1回目(2/22):0名

2回目(3/3):0名

3回目(3/11):19名(3/14発表)

4回目(3/17):0名

5回目(3/24):51名(3/27発表)

※1回目、2回目、4回目は発表無し

最後に

日本女子大は女子大御三家と称される古くからの名門大学です。私の娘も受験しましたし、私自身が同じ目白の学習院ということもあって本女とは交流が深かったので個人的にも非常に親しみを感じている大学です。

そのような大学だけに、辛い毎日を過ごしている受験生を見るに連れ悲しくなる気持ちが大きかったです。そして今年は日を追うごとに逆に本女を見放した受験生が多かったように見えましたが気のせいでしょうか。繰上げ最終日に51名の繰上げ合格があったにもかかわらず、合格の書き込みをほぼ見なかったのが印象的でした。

少子化が進み、女性の社会進出が進んで女子大の存在意義も問われる時代となりました。日本女子大学には出来るところから入試改革を進めて欲しいと心から願います。

 

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